鞄の中身 かばん の なかみ : 出かける時は、どうも手ぶらじゃダメ…そんな私の鞄には…?

“打ち止め”のあとさき

読んでいただいている貴重な方々にもそろそろ飽きられてきた気がする回顧シリーズですが、時折これをやらないと、愚痴ばかりのヤツと思われては‥いや、もう遅いですか。

第3弾はOMの始まりと終わりです。
OM-1は厳密にいうと最初ではないし、OM-3Tiは真っ新な機種というには少し難がある(自分でも少し前にいっている!)というご指摘もありそうですが、敢えて。
ともかくも、OM最初と最後の機種が機械式シャッターの完全マニュアルカメラだったというのは興味深い事実です。
いうまでもなく、それぞれ電池がなくても全速シャッターが切れるのがウリなんですが、今や写真そのもの(フィルム製造、現像、焼付)が電気なしには成り立たなくなっているといっていい状況下で、究極的にあるという機械式カメラの安心感もある意味思い込みの中にこそあるのでしょう。
もちろんそれはそれでとても美しいことだと私は敬意を払っております。



私の元にやって来たのは、OMのオリジナルというべきOM-1ではなくOM-3Tiの方が少し先でした。
つまり、OM-2Nに始まり、OM-4、同白黒TiとAE機が揃った後、初めてマニュアル専用機を手にしたということです。
1994年11月、会社創業75周年という折に事実上の終焉宣言として登場させられたOM-3Tiは、正直なところ、私には不要なカメラでした。
TTL-Autoフラッシュでスローシンクロが出来るOLYMPUSの最初で最後の機種というのが唯一のメリットでしたが、些末な問題です。
巷の中古市場でOM-3が高騰したことへのOLYMPUSの回答として登場したともいわれますが、そもそもOM-3にも無関心でした。
それでも入手したのは、OM最後のマシンを敢えて出すOLYMPUSの心意気に応えただけの話です。
実はこの発表に合わせるようにZuikoレンズの価格を大幅に値上するという発表がなされています。
尤も、OLYMPUSだけのことではなく、この頃は各社がこぞうようにマニュアルフォーカス用のレンズ価格を値上しました。
いずれも廃止への伏線であったことはいうまでもありません。
そこで何をとち狂ったのか、見事に躍らされた私はZuiko180mmF2というまず使いそうにはないレンズを買った勢いで程なくOM-3Tiを注文したのでした。
そうなることは望んでいなかったものの、早晩消えていくだろうOMへの、今までのOLYMPUSへの、自分に出来る範囲での恩返しのつもりでした。
フィルムある限り、死ぬまでには何度かくらいは使うだろう、と。
そんな状態でしたから、幾許かの淋しさがあったものの、OM-3Tiの発表自体はほんとうに穏やかな気持で迎えられたように思います。
ただ、同時に発表されたOM最後のレンズZoom35-80mmF2.8には呆気にとられました。
せっかくだから40mmF2くらいをリバイバルさせればお似合いだったのに、お得意の“他にはなかなかない(半端な)焦点域のズーム”発表は、私にはとんでもない最後っ屁という風に思えたものです。
果して手にしたOM-3Tiは、OM-4を毎日触っている身には新鮮味に欠けたものの、専用の皮ストラップが付属いており自尊心をくすぶられました。
使用具合自体もいいものです。
これと思った時に使用して来ましたが、未だ殆ど新品のままという状態。
心なしかソロリソロリと用心深く使っているような気がします。
特殊な色合がそうさせるのか‥。
その代わりではないですが、実は知る人ぞ知る裏技的な使い方をしているのです。
もう時効だろうからいってもいいでしょうね‥購入して少し経った時に、OLYMPUSの方にこっそり教えていただいた隠しコマンドを入力したことによって、私のOM-3Tiはスポット測光専用機になったのです(もちろん解除可)。
OM-4の時から感じていたのですが、スポットボタンを押して値を元に絞りやシャッターをセットするというのが「マニュアルなのに!」という隔靴掻痒感プンプンだったのですが、裏技を知って以来気持よく使えています。
しかし、隠しコマンドやら裏技って、OM-3Tiはマニュアル機のはずなんですが‥もちろん、以上は本機に限っての機能です。
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E-330/ ZD50mm 1:2.0


OM-1はOM-3Ti登場の約半年後に、とある中古店の店先で格安の値札が付けられていたため購入したものです。
もちろん、小学生の頃にCMでも何度も見た衝撃的なデビューを覚えている私にはとても感慨深い買物だったことは間違いありませんが、その時、昼間から少し大目にビールを飲んでいなければ果してどうだったか。
外装は綺麗で、絞りの動きが悪い50mmF1.8が付いていました。
店のオヤジさんに「これは要らない」といっても、「それだけ返して貰ってもフィルター代にもならない」との答。
結局、タダのフィルターを付けてもらって引取ってきました。
今考えてもどういうことだったのかよく分りませんが‥。
作動も全く問題ないようでしたが、数ヶ月後に念の為に点検に出して見てもらったところ、全て良好とのこと。
時折防湿庫から取り出してはシャッターを切る程度にしか使って来ていませんが、年にフィルム2本くらいは通していると思います。
シャッター等の感触はOM-2Nとほぼ同じ。
もちろん低速側はノスタルジーたっぷりのガバナー音がします。
両者が余りに似ているので、この世には夫に騙された妻の数も相当な数に上るのでは‥などとついバカな連想をしてしまいます。
OM-2系よりも少しだけ冷たげな表情を私なら見逃さないところですが、そこにゾクッとしてしまうのです。
コレクターの方はM-1は別格だとよく仰います。
ただ、決して負け惜しみではなく、OLYMPUSなんだから、MよりもOMの方が却って良かったんだと思っています。
発音にしても、ロゴのカタチにしても、M-1よりもOM-1の方が「小そうてもウチの仏さんには魂が籠もってはる!」という感じで、私は好きです。

あまり使わないといえば、それまでで、自身でも勿体ない気がしないでもありません。
所詮は、モノを整理出来る人・出来ない人、自分から別れられる人・別れられない人‥という違いの問題なんでしょうね。
もういっぱいいっぱいなのに、“カメラの誕生日”なんて覚えているようなヤツは、思い切りが悪いんです。
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E-330/ ZD50mm 1:2.0

Commented by M2_pict at 2006-12-11 21:15
3Ti、いいですねぇ。
欲しくてたまらなかったクセに、妙に現実感(この頃あまり写真を撮らなくなっていた)が先走っていて、ついに購入する事のできなかった機種です。(皮ストラップは初めて拝見しました)

OM-4とOM-1を使っていて、基本的にはOM-4を使いたかったにもかかわらずOM-1の使用頻度が上がっていった背景には、電池をオマケ程度にしか使わないOM-1と、電池に(ほぼ)すべてを依存するOM-4との体力勝負があったと思われます。
そしてやはりデザインの完成度という点でOM-1は最初であり全てであったのだと。

それにしてもどちらも(また他の機種も)すばらしくコンディションの良さそうな機体ですね。
さすが、誕生日を、、、(以下略
Commented by yy2828yy at 2006-12-11 21:51
いやぁ、数があるから、一台あたりの使用頻度が少ないだけかと。
ただ、「おおよしよし」をすればいいってもんでもないと思っているので、
撮影時のカメラの扱いは意外に乱暴な方かもしれません。
使った後、神経質なまでに掃除をするということは努めてきましたが。

OM-3Tiはともかくも、OM-1は電池なしで使ってますよ。
なぁんて、背後に色々あってこそ出る余裕で、自らがすぐれた露出計だというわけではありません。念の為。
でも、OM-1のクロームは賢い女って感じですが、ブラックはもっとなんというか、うーん○○してみたいっ!
by yy2828yy | 2006-11-02 23:01 | OLYMPUS | Comments(2)