鞄の中身 かばん の なかみ : 出かける時は、どうも手ぶらじゃダメ…そんな私の鞄には…?

アイカップ考(CONTAX用:F型と視度補正レンズ)

今は昔、視度補正機構などカメラに装備されていないのはごく当り前でした。
日常生活において何らかのカタチで視力の補正や矯正を行なっている日本人の割合を考えれば、むしろおかしいというべきかもしれません。
それでも、かの世界一美しい<OM-1>や<OM-2>のペンタプリズム部の形状が損なわれたかも知れぬことを想えば...と私は考えるわけです。
幸い、視度補正レンズというのは用意されていたわけであり、私もそれで充分に間に合いました。
アタッチメントなので失くしてしまっても、そこそこのカメラ店に行けば300円も出せば(尤も、失くすのは大抵アイカップごとで、実際は1,200円がほぼ間違いなく加算されます)入手できたのです。
ところがOM用アイカップが<アイカップ2>と変更されるに及び、視度補正レンズも変更され、旧型の在庫を探さねばならぬことが徐々に増えてきました。
いったん新型が出ると、旧型の入手が難しくなるのはむしろ大型の店舗の方だという気がします。
やがて私は、それまで訪れなかった(その必要がなかった)ような店まで探し回らねばならぬようになりました。
そしてアイカップと視度補正レンズという二つのアクセサリーが同時に現役を退くことの意味を厭というほどに味わったのでした。
アイカップや視度補正レンズに対する私の偏執的な姿勢は、恐らくこの頃に形成されたのでしょう。
そして、この項前々回のエントリーにて、OM用視度補正レンズの流用をしなかったもう一つの理由もここにあります。
つまり、OM用アイカップのストックは1打あまりあっても、視度補正レンズの方が揃っていないからです。
アイカップや視度補正レンズについては、今なお日常的に出物探しを心がけています。
日々払う注意を一点に集中する方がいいとするのは一つの論理かも知れませんが、私はできればリスクは分散したいと考えているのです。
と、また前触れが長くなってしまいましたので、とにかく画像をご覧いただきましょう。
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視度補正レンズの関係を示すためにアイカップ本体をバラしてみました。
といっても、ネジ込みを外しただけです。
なお、接眼目当のゴムはここでは除外しました。
で、今回のキモが真中のレンズであります。
ご覧のとおりで、直径が1円玉程度の変哲ない一枚のレンズです。
ところがこれがなかなかありません。

他メーカーも視度補正は似たり寄ったりの方法で行うため、流用品には事欠かないようですが、いや、サイズが微妙に違ったり、レンズがネジ込みと一体化されてしまっていたりして、そのまま流用が可能というケースは殆どないのが実情であります。
しかも、このCONTAX用はマイナス5からプラス3まで1度刻みに9種が用意されているので、当然ながら自身に必要なモノに巡り会える確率は単純計算でも1/9になってしまうのです。
私の場合、通常マイナス2が適当なのですが、度が強い分には用を為すだろうということで、「根こそぎ」の対象をマイナス4まで拡張しています。
これでマイナス2からマイナス4までをそれぞれ1枚ずつやっと入手できているのが現状です。
こんな有様では、どんどん増えるCONTAXボディに対応できるはずもなく...そう、お分りでしょうが、「アイカップが付いている!」と飛びついて、運良く手元にやってきたとしても、その度に視度補正レンズが1つ必要になる状況を背負い込んでいる、と。
はい、アホです。
とりわけ多くの女性は、こんな私を一瞥しては「使うカメラは1台なんだから1セットを使い回せば何の問題もないでしょ!?」なんて簡単にいい放つことでしょうね。
でもそれができないから絶滅危惧(誰も危惧しないけど)種なのです。
かくして、アイカップと視度補正レンズが1揃いしかないのにボディが3台となった時、いたたまれなくなった私は、ちょっとした思い付きを試みることに...
...ただ、これ以降は実に無駄、かつ回り諄い話になると自覚しております。
ついては対象は奇特な方のみということで、悪しからずよろしくお願いいたします。

さて、こういう場合、真っ先に天下のNikonに頼るのが妥当なところ。
今なお現役商品としてねじ込み式の視度補正アタッチメントを製造、販売している見上げるべき存在はNikonを措いて他にありません。
事実、Nikonの視度補正アタッチメントをそのまま流用できるカメラもいくつかあります。
Nikonの場合、アタッチメントは上述の構成イメージの真中と右が合成したカタチで供されるのですが、一見したところレンズ径も同程度でしょうか。
これがCONTAX用アイカップのベースにネジ込めれば万々歳...
...となるのですが、残念ながらネジ込みのピッチが合わず、実に呆気なくアウトが判明。
そこで次は...再びのOM用です。
ただ、たまたま私はOM命でやってきたので、最も身近なモノとしてのOM用があるわけですが、決してお勧めできる選択肢とは思いません。
幾度かお話ししているように、そのクオリティの高さもあってOM用のアイカップはとても高値で、対応する視度補正レンズもとても入手が困難だからです。
と、あまり役に立たないと自覚しつつ、アリモノの「使い回し」の観点から敢えてのご紹介とご承知ください。
恐らくはこちらでも同じようになさったかと。また当然ながら、OM用<アイカップ1>と視度補正レンズが一揃いあるなら、素直にそのままの状態を流用すればいいだけだとも申し添えます。
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まず始めに、OM用<アイカップ1>(右)とCONTAX用<アイカップF>(左)の比較です。
ただし、ここで見る<アイカップF>の純正部品はゴム部とボディ接眼部への取付ベース部のみとなっています。
つまり、以降ではCONTAX用<アイカップF>をベースにOM用の視度補正レンズを組合せる様をご紹介するわけです。
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それぞれの視度補正レンズの比較、右がOM用、左がCONTAX用で、OM用の方が直径で1.5mmほど大きいことがお分りいただけるでしょう。
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それぞれをCONTAX用アイカップのベースに落し込んだ様子です(左がCONTAX用)。
OM用はきちんと落し込まれてはいますが、左と比較すると周囲との余白部分は明らかに狭くなります。
よって、この落し込んだレンズを押えて固定する際、CONTAX用アイカップの部品ではねじ込めません。
ネジ込み部がスペースに入らないからです。
そこでOM用同部品に注目、CONTAX用のベース部にねじ込んでみると...
あ、え?ネジのピッチは合います。
そもそもがより大きな径のモノを押さえ込む部品なのに...という真当な疑問が生じるところですが、よくよくて納得しました。
OM用アイカップはより深い場所に視度補正レンズを落し込む設計になっており、自ずと押え部はより高く、そしてネジ切りも深く(長く)なっているのです。
このため、ネジ込めるのは全体の三分の一程度になっても、レンズを押え込むには充分に役割を果してくれることが分ったのでした。
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ゴムを引っくり返して見る状態は如何にも頼りないようですが、これでしっかりと固定されています。
通常はゴム部に隠れるので、不用意に回ってしまうこともないようです。
オリジナルとの比較はご覧の通り...知らなければ分らぬレベルとはいえないでしょうか。
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以上、個人的には<アイカップ1>のゴム部がダメになってしまったモノが幾つか手許にあり、その活用も考えて採った策であります。
それでもなお、視度補正レンズのことは別問題としてあり続けるのですから、決してお勧めできる方法ではないと繰り返し強調しておきます。
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最後に一つ、番外を。
CONTAX用視度補正レンズ<FM>タイプで、「根こそぎ作戦」に引っかかりました。
Nikonと同方式のネジ込み用枠付ですが、残念ながら<アイカップF>への取付はできません。
<RTS III>を始め、<ST>や<AX><N1>そして<645>用のもので、これにはアイカップ<F-4>や<F-6>が対応するようです。
ところが、嵌っている丸型のレンズはこれまでと同じもの。
つまり、注意深く取り外せば<アイカップF>用の視度補正レンズに早変わり!
安価な出物があれば即買のお勧め品です。

前回に引き続き、丸型アイカップを使わんがための話を書いてまいりましたが、モノの玉数が少ない現状では、なかなか難しく探しつつ待つ根気が必要です。
この項の最後として、もっと容易に実現できる策についてご紹介しようと思います。
丸型アイカップを諦めなければなりませんが、実用的には軍配を上る人も多いかも知れませんし、<167MT>以降の機種にはむしろよく似合うでしょう。
次回をお待ちください。
Commented by M2_pict at 2018-10-01 22:28
顛末も含め、無駄なところのない記事でした。
私は軽症だと喜ぶべきか嘆くべきか...とは思いましたが。
先の記事になりますが、RTS用のアイカップ、なるほどあのロゴ部分にはそういう機能(?)も隠されていたのですね。
139Qの取説でも同様にずらして使うよう記載されていましたがなんとも危なかしく、なるほどRTS用の方が効果も高そうです。(私も、ほぼ使う事はないんですけど)
Commented by yy2828yy at 2018-10-04 00:05
M2さん、
いや、おつきあいいただきありがとうございます。
そもそも、アイカップ というものは外れなければだめですが、外れやすくても困るわけで、なかなか難儀なものですね。
ふと、接眼部が丸型のNikonはやはりよく考えているな、と。
でも、やっぱり、あのフニャフニャよりもOM用のカッチリしたタイプの方がいいですもんねぇ。
最後は、個人的に禁断の技です。
思いの外使いやすくて、ちょっと困りましたが、近々お披露目いたしますので、あと少しおつきあい下さい。
by yy2828yy | 2018-09-30 13:57 | ヒト・モノ考 | Comments(2)