人気ブログランキング | 話題のタグを見る

鞄の中身 かばん の なかみ : 出かける時は、どうも手ぶらじゃダメ…そんな私の鞄には…?

35mmという焦点距離

久しぶりの<XA>との時間は、「焦点距離35mm」を改めて意識することにもなりました。
これはアップしたイメージにも表れていると自己分析する次第です。
<XA>がまさに現役だった1980年頃、レンジファインダー機に35mm程度のレンズが付いているのはごく一般的でした。
この傾向はこれらのカテゴリーが以降一気に全自動化されていく過程においても同様で、搭載レンズがズーム一辺倒になるまで続いたといっていいでしょう(尤も、ズームも殆どが35mmスタート)。
よって私には「コンパクトカメラ(レンズシャッター式レンジファインダー機)は35mm」という観念がいわば出来上がっていたといえるでしょう。
1980年当時といえば、私は一眼レフ一辺倒で、しかも数少ない交換レンズしか持てない身とあって、標準レンズより広角側といえば28mmのみ。
初めて入手したコンパクトカメラが<XA4>というXAシリーズでも変わり種だったのもこのためです。
結局、35mmはこの数年後に手に入れた初代<XA>での初体験となりました。
35mmという焦点距離_e0101258_11590889.jpg




しかし、元来不器用なせいか、OM用交換レンズを手に入れるまで35mmの画角には常にピンとこないままに<XA>を使い続けていたことを振り返ります。
ここでいうピンと来るというのは、好き嫌いだとか、対象を収め易いといったことではなく、ただ単純に撮影時に自身の眼(脳内イメージ)と軀の動き(適した場所でカメラを構える)が密に連携できているか否かという意味です。
これが私のいう「軀で撮る」ですが、即ちフレーミング微調整と焦点合せ以外の総てが完了して初めてファインダーを覗くということでもあります。

なぁんて大袈裟なことをいっていますが、所詮は慣れの問題でしょう。
その意味では<XA>には相応に慣れているはずだし、また<XA>以降にも幾台かのレンジファインダー機も加わってはいるのですが...。
にも関わらずピンとこないままだったのは、焦点距離ではなくブライトフレームの余白に引っかかっていたのだと、今となっては判る気がします。
自身で確保したはずのフレームはほぼ間違いはないのに、いざファインダーを覗き、フレーム周囲にある余裕が眼に入った途端、些かの間が入ってしまうといいましょうか。
要するに、一眼レフで写真に入りそれだけでやって来た私は単にレンジファインダー、否、他のファインダー方式を知らなかったということなのでしょう。
若さ故というか、我流でやってきた者の陥り易い原理主義かと遅まきの反省をするばかりです。

こんな私が齢を重ね、移行したデジタル時代に見たのは、あろうことか跋扈する原理主義でした。
これに辟易しフィルムに回帰したのは、いわば「他山の石」が自身の反影でもあることを何処かで察知したのかもしれません。
以降、OM一辺倒だった者が、むしろ一眼レフ以外のカメラへと“転落”して行った様は皆さんもご案内の通りであります。
就中、<XA>の大先輩ともいうべく数々のレンズシャッター式レンジファインダー機が、私に一眼レフとはまた違った「ファインダーの愉しみ」を提供してくれる様は度々ここでもご披露している次第です。
この愉しみは、厳密さを放棄させるものでありつつ、最早カメラと戯れる感じにおいてはより上としたいところであることも。

さて、斯様に些か緩い姿勢へと私を誘ったカメラたちは1950年から1960年代のものが殆どで、搭載レンズは50mmから40mmのいわゆる「標準域」となります。
一方で後に当り前のようになる35mmレンズはまだ一般的ではなく。搭載したカメラはわざわざ「ワイド」と銘打って売り出されたのでした。
旧いレンジファインダー機の使用頻度がむしろOMを凌ぐくらいとなった今だからこそ、<F.ZUIKO35mm 1:2.8>というレンズを装備した<XA>をより深く味わえるようになったと思いたいですね。
35mmという焦点距離_e0101258_9275132.jpg
XA/ F.Zuiko35mm 1:2.8
f5.6 Auto FUJICOLOR100 記録用
Commented by harada at 2016-10-25 23:47 x
こんばんは。
 ブライトフレームの余白に、、、。 あぁ、なんだか私もこの事で悩んでいた、といいますか、気付かないふりをしていたように思います。
 初めて手にした35mmカメラはコニカの35EF3という、ゾーンフォーカス式のやつでファインダは素通し。明るくて良いのですが、おおまかな撮影範囲の見当をつけるためのものですね。わざわざ覗かなくてもノーファインダ撮影でもいいわけですからね。露出もオート。カメラが「撮ってくれている」。
 その後XAを使う事になり、像を合致させるというカメラ操作の最重要素が自分でコントロールできると喜ぶのですが、やっぱり使いづらいとなり、知り合いに譲った(あげた)と思います。2台目は電気系統の結露で故障したようです。
 そんなXAですが、懲りずに3台目。飽きては欲しくなりの不思議なカメラだと思います。

  それよりこの写真、場所も切り取りもおもしろいですね。デットスペースまたは雪隠詰め。
  車庫として利用したいところですが、両隣共に、どちらにも権利は無さそうですね。市道なのですかね?
Commented by yy2828yy at 2016-10-26 07:34
haradaさん、
良きにつけ悪しきにつけ、一眼レフ万能というべく時代に育ちましたからね。
日本人らしいというべきであり、これでドイツを出し抜いた唐揚げでもありましょうが。

この間を左に曲がったところに一軒あり、この車、否、この道はそこに繋がる通路です。
ま、ゴチャゴチャしたところなので、それぞれの土地権利関係がどうなっているかは知るよしもありませんが。
名前
URL
削除用パスワード
by yy2828yy | 2016-10-22 09:37 | Film | Comments(2)