鞄の中身 かばん の なかみ : 出かける時は、どうも手ぶらじゃダメ…そんな私の鞄には…?

鳩・イメチェン

今回はちょっと前に撮ったものから...。
ただ、とりわけ珍しい事物でもなければ光の状態が好ましいわけでもなく、何よりも微妙な内容で−−否、撮った本人が上手く咀嚼できず、気持の整理も付かなかったといった方がいいかも知れません−−確かに相応に衝撃を受けたからこそ撮影したわけであり、もちろん、自分なりに色んなことを考えはしましたが、結局そのままで放置しておりました。
以下、パッとご覧になるにはさほど問題はないとは感じつつ、やはり熟視すると気持悪いとされるのが大勢かと思われます。
よって続きはくれぐれもご注意いただいた上で...とお願い申し上げます。
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ある秋の早朝、三宮から元町界隈までサイクリングがてら出掛けた折、まだ殆ど人気のない南京町を疾走していた時のことです。
南京広場を西に過ぎた辺りで、西安門付近の路上で数羽の鳩が群がっているのが見えました。
都会では最も身近な鳥である鳩、何等珍しいシーンでもありません。
「何か食べ物をみんなで啄んでいるんだな」程度の想いで、私も何気なく脇を通り過ぎるつもりでした。
「ぽっぽっぽ、鳩ぽっぽ...」というごく在り来たりの連想に抗うことなく自転車を進めるにつれ、しかし、彼らが啄んでいるモノは豆とはかけ離れたカサを持つ物体であることに気付いたのです。
少し手前で自転車を停め、その物体の正体を確かめようと思い立った瞬間の私には、確かに何か不吉な予感めいたザワメキが波立ちました。
果して、案の定というべきでしょうか、近付いた私は、彼らの軀とほぼ同じ大きさのローストチキンであることを確認したのです。
同時に、見なければ良かった後悔に苛まれたのはいうまでもありません。
私はそれでも、少し前にショーウィンドーに対した時のままの装備...即ち85mmレンズでそそくさと撮影を敢行、逃げるようにその場を後にしたのであります。

帰路、自転車を漕ぎながら「何故、自身はかくもイヤな気持になったのか」をひたすら考え続けました。
目の当たりにしたシーンについて、私がイヤな気持を抱いた理由を説明するのは簡単です。
先ずは上での童謡に唱われたり、平和の象徴とされている身近な鳥類、鳩に対する思い込み。
そして、そんな鳩があろうことか、たとえ人が食するために調理されたモノだとはいえ、鶏を食べているのです。
想いはいわゆる「共食い」に自ずと及びます。

ただよくよく考えると、共食いの定義...要するに、共食いか否かの境界線は何処に、如何にあるのか、との疑問も生じてきます。
即ち、ローストチキンの素材たる鶏と鳩との相違問題です。
例えば、同じ鳥類という括りにあっても、鷲が鴨を補食したところで「共食い」とする人はいないでしょう。
同様に、ほ乳類同士でも、ヒトが豚を調理して食べたところで「共食い」にはなりません。
こうしてみると、私が下した「共食い」判定も甚だ怪しいことになりそうです。
双方が近い種族だと思っていた根拠は、いずれもが自身にとって身近な鳥類だという勝手な分類からに過ぎず、実際にはヒトと豚以上に遠い種族なのかも知れないのですから。
つまり逆にいえば、われわれが当り前のように食している牛や豚とヒトと間の隔たりは、鳩と鶏との差異ほどにもない可能性すらあるということでもあります。

「ローストチキンに群がる鳩」から私が受けた「イヤな感じ」。
その基となったのは、一つの勝手な「分類」であり、思い込みだとすべきなのでしょう。
ただ、私が未だに「イヤな感じ」から抜け出せないでいるのは、いったん根付いた感情が如何に根深いかという証でもあるかと。
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OM-3Ti/ Zuiko85mm 1:2.0
f4 1/125 FUJICOLOR100 記録用
Commented by harada at 2015-11-23 12:17 x
 鳩は雑食なんですね。すこし山がわに行けばキジバトをよく見ますが、山に煎った豆など落ちているものではないですから、木の実や虫、小動物なんかを食べているんでしょう。
 それにしても、いろいろ考えられる光景。こんなところに落ちているなんてのは、ノラ猫、犬の毒殺用かもしれません。だからカラスなんかは賢いから来ていないのかも。
 背後から来るトラックのタイヤが、ちょうど路線上にあるのも怖いですね。
   OM-3でですか、、悪夢は焼き付きますからね。心情としてはリターンミラーに映したくなかった光景というのはお察しします。
Commented by tact1215 at 2015-11-23 14:52
こんにちは。

たしかに、鳩は平和の象徴と呼ばれているけど、結構どう猛とも聞きます。

ローストチキンですかぁ。。。
せめて、これが焼き鳥だったら印象違ってたかもしれませんね。

え?そんなことはないですって?
う~~む。。。
Commented by yy2828yy at 2015-11-24 06:23
haradaさん、
鳩に限らず、大抵の生き物は雑食なんですね。
そんな中、手塚治虫先生の『ロック冒険記』だったかの影響で、鳥にはとりわけ複雑な気持を抱いているようです。
まぁ、クワガタの♀なんてのも相当なもんですからねぇ。
子供の頃に、草食、肉食を教わり、その境界を跨ぐのは自分たちだけだと思っているようなところもありそうです。
そうでないことを知るのは、やはり実地というか現実を見なければならないということでもありましょう。
Commented by yy2828yy at 2015-11-24 06:27
tact1215さん、
鳩は鈍臭いので、その分(おとなしいという)勝手な決めつけがなされているのでしょう。
でも、あれだけひしめき合い群れているのは逆に気味が悪いわけで。
うーん、焼き鳥ですか。
確かにもとのカタチが分らないですからね。
視覚で結びつけられるのは人間だけでしょう...
このシーンも、仲間が人にかくなるカタチに料理されているのに、コイツらよく喰うなという、人間としての見方もありますね。
by yy2828yy | 2015-11-22 23:32 | Film | Comments(4)