鞄の中身 かばん の なかみ : 出かける時は、どうも手ぶらじゃダメ…そんな私の鞄には…?

哀・おぼえていますか...

1986年といえば、電電公社がNTTになった翌年であり、国鉄がJRになる前年に当ります。
私は未だ神戸の親元に住み、半端な学生を続けていた頃です。
鞄の中に常にOMが入っていたのは今と同じですが、当時はもっと大袈裟な装備がカッコいいと思っていたようで、中型のBillinghamにモータードライブ付の<OM-2N>と<OM-4>が入っていることも珍しくありませんでした。
尤も、それを難なく肩にかけて時速7kmの速度で歩き続ける体力があったのですね。



前年に登場した<MINOLTA α-7000>の衝撃により、カメラ業界にはザワザワした落ち着かない感じが漂っており、実際、各社が相次いでAF一眼レフを発表し始めたのが1年余遅れのこの年になりました。
脳中を占めるカメラの割合もずっと今より高かった私としても、まだまだ欲しいレンズだらけのOM-SYSTEMの行方を案じずにはいられません。
本音としては「もう<OM-4>で充分だから、これから欲しいレンズを数本揃えるまでそっとしておいて欲しい」だったのですが...。

そんな中、突如OLYMPUSから<OM-4Ti>が発表されたのは夏の暑い盛りでした。
私は即座に、しかしかなり無理をして購入に至ったのですが、この詳細についてはこちらをご覧ください。
そして、これから程ない秋口に、Nikonに続くAF一眼レフ三番手としてOLYMPUSが<OM707>を送り出したのでした。
しかし、プログラムAE専用機というその仕様や、カタログからしてバカチョンの延長にしか考えていないようなOLYMPUSの方法を多くは非難しました。
今から考えればこれもありといえるかも知れませんが、当時の人は容赦をしなかったのです。
肩透かしを喰らわされたような気持だったのでしょう。
否、逆にいえば、先行したMINOLTAのα-SYSTEMがそれだけ本格的だった(欠陥は大いにあったけれど)ということになるでしょうか。
私はといえば...さすがに呆気にとられましたし、もちろん些かがっかりもしたものの、一方では即座に黙殺の域に追いやることができたと思います。
同じ意見の方も少なくないことと思いますが、私はこの<OM707>をOM-SYSTEMはおろか、OMではないと断じます。

いずれにしろ、<OM707>はOLYMPUS史上類を見ぬ失敗作となったばかりか、この失敗によって一眼レフの世界から脱落したといっていいでしょう。
私も今以上に一途なファンでしたから、正直なところ、以後幾度となく歯痒い思いをしたものです。
それでも、全自動による確実性との引き換えで、どんどん鈍重で無様になり行く他社製AF一眼レフとそのシステムを見ると、我が愛機OMに不足など何もないことを知るのでした。
もちろん、AFへの移行をOLYMPUSが失敗したからではあります。
一方で、だからこそOM-SYSTEMは穢れないままに終焉を迎えらたという事実をわれわれは今目の当たりにしているのではないでしょうか。

かつて黙殺した<OM707>を私が手にできているのも、まさにそんなOMが傍らにいてくれるという余裕あってこそであります。
改めてあれこれ見てみると、却って良いことに気付いたくらいです。
当時は無様に感じられた偏った<OM707>のロゴもそう捨てたモノではないし、各作動もイライラするというほどではありません。
とりわけ明るいフォーカシングスクリーンには驚かさます。
また、今回ともに手に入った<Macro50mm F2.8>というレンズは、OLYMPUSでは珍しい等倍マクロとして期待できそうです。
ただし、これらを実際に役立てるには、あまりにも割り切り過ぎた仕様...シーソー式によるパワーフォーカスレバーは、さしずめこのカメラが纏っている隔靴掻痒感のシンボルだといえましょう。

このたび手許に集まってきたモノの中で、唯一私がまともに購入したといえるのは標準ズーム用のフードであり、その価格が500円程度だったという事情があるだけに、当時のプライスカードには複雑な気持にさせられました。
とにかく本日フィルムを装填...最早全ては哀(あい)しさの中でのスタートであります。
さて、どんなモノが出ますやら...
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Commented by kanekuro at 2014-02-02 04:54
機材に対する愛情いつも伝わります。
自分に置き換えると機材のこだわりの無さが、
個性がない自分の写真に繋がっているのかもと感じました。
Commented by yy2828yy at 2014-02-02 07:02
kanekuroさん、
愛情といいましょうか...思い入れといいましょうか。
私は自分でモノを拵えるのが不得手なため、道具に対しても使うこと以前に感嘆が先に立ってしまいがちです。
ただ、それも感覚的というよりも、飽くまでも情緒に流される感じでしょうか。
だから撮る結果というものに厳しくないし、そもそも確たる目的なしにフワフワしているんだと自覚しているのです。
Commented by M2_pict at 2014-02-02 17:15
このカタログも出てくるところが、年季を感じます。

オリにはよく見られる“勘違い”。
OMを掲げてしまった事が最大の不幸だったでしょうか。

それでもこれだけ時を経ればまた、、、。
Commented by yy2828yy at 2014-02-04 21:51
M2さん、
さすがにこのカタログはストックなしのこれっきりなのです。
一応、記念のために手に入れたのですが、一度見たきりだったと思います。
今日のような日が来るなんて、それこそ夢にも思いませんでしたね。
by yy2828yy | 2014-02-01 22:55 | ヒト・モノ考 | Comments(4)