鞄の中身 かばん の なかみ : 出かける時は、どうも手ぶらじゃダメ…そんな私の鞄には…?

F●ckin' LV!

遅ればせながら、前回ご好評をいただいた<Konica IIIA>のまとめを...。
最大の欠点などといったものの、こうやって旧いカメラに相手をしてもらいながら、単なる好き嫌いに止まらぬ評価を下すのは申し訳ないこと。
それを敢えてやって、無粋になってしまってはならないとの自分なりの躊躇いがあり、ちょっと間が開いた次第です。
三流メーカーの現行商品に文句を付けるのと同列に考えてはなりません。
と、斯様な気遣いはそれなりにしたということで、<Konica IIIA>を愛用しておられるファンの方々にはご容赦をいただきたく存じます。

*以下の文には誤りがあります。
 ただ、使用感などについては一概に間違いともできないため、ママとしますが、正しくはこちらもご参照いただきますよう、お願い申し上げます。
(補・2014.11.07)
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Konica IIIA/ Hexanon50mm 1:1.8
f4 1/500 Kodak GOLD100

<Konica IIIA>はこの時代に流行ったLV-Systemを取り入れています。
LV(ライトバリュー)とは、文字通り露光の際の明るさを数値で示したものです。
われわれの年代ならEV(エクスポージャーバリュー)の方が馴染みがあるかもしれません。
というか、私なんて数年前までASAとISOの違い程度に思っていたくらいなんだけれど、ともに露出決定に関する値という点では一致するでしょう。
難しい理論は分らないにしても、その場の明るさを示す値LVに対して、絞りとシャッター速度、加えてフィルム感度という実用に際する機材や感材の数値まで踏み込んだのがEVだといえばいいでしょうか。

私の不満のそもそもは、このLVシステムに対するものであります。
<Konica IIIA>のレンズ鏡胴には絞りとシャッター速度のものに加えてLVの値(2〜16)が刻まれたリングが設けられています。
このLVリングはシャッター速度リングと同軸で一緒に回る構造になっている上に、デフォルトでは絞りとも連動します。
即ち、いったんその場の明るさとしてのLV値を設定すれば、絞りとシャッター速度の係り結びがなされるという仕掛けがLVシステムです。
今でいえば、プログラムAEをシフトさせる感覚といえばいいでしょう。

具体的な例を挙げると、晴天日中ならLVは13~14くらいの値になります。
この条件(LV14)下で感度100のフィルムを入れた<Konica IIIA>を使うとすると、いわゆる適性露出での絞りとシャッター速度の組み合わせは、「F5.6・1/500、F8・1/250、F13.5・1/100、F18・1/50、F22・1/30」の5通り(注:F13.5、F18と1/30は目盛になく理論値)です。
この5通りの組合せを一括りにしてしまうのに、<Konica IIIA>では、前述のLVリングの数値を目印に合わせればいいようになっています。

同様の仕組みはこの時代の多くのカメラに採用されており(<Lord-5D>、<Aires35 IIIc>にも)、<Konica IIIA>もその一つに過ぎません。
それでも、他のカメラではこの仕組みを無視して、絞りとシャッターを個別で自由に設定するという当り前(本来)のことが雑作なく行えるものです。
しかし<Konica IIIA>のLVシステムによるいわゆる「係り結び」は無視するにはあまりにも強固だということを思い知ったのでした。

私が日中にこの手のカメラを使う際にはどうしてもシャッター優先的に露出を決めることになります。
F5.6よりも絞って撮ることがあまりないため、それに見合うシャッター速度は大抵高速側2段に限られるからです。
つまり、シャッター速度は1/500でほぼ固定、絞りで加減するといった具合で、ごくごく普通の、多くのカメラでは眼を瞑ってでもできる操作でしょう。
が、しかし、<Konica IIIA>ではこれができないではないですか!

とまれ以前アップした部分撮りをご覧下さい...
...鏡胴の一番上にシャッター速度、その下に絞り、そのまた下にLVとそれぞれリングが確認できることと思います。
ただし、それぞれをよく見れば、回転させるための滑り止めが絞りリングにはないことに気付くでしょう。
実際、絞りリングは何の取っ掛かりも付いておらず、動かそうにも動かせない構造になっています。
初めてこのカメラに触れる人なら、この悪夢のような事実を前にしても、他の解決法があることを半ば確信しながら、取っ掛かりのあるリングを動かしてみるに違いないでしょう。
それがまた新たな不可解を招くことになったとしても。
シャッター速度とLV、取っ掛かりのあるリングは二つあっても、いずれか一方を回転させるだけでもう一方もくっついて回り、自ずと絞り値も動くというのが、その不可解の正体であります。

「まさか、このカメラは一定の露出でしか撮れないのでは?」
と、初めて弄って狼狽えても当然でしょうが、さすがにLVシステムを解除する仕掛けはちゃんと用意されています。
LVリングを本体側に引くことで絞り値が一緒に動かなくなり、はじめてシャッター速度を単独で設定できるようになっているのです(LVリングとシャッター速度リングはともに動きます)。
これで不安も少しは軽減されたようでいて、しかし、私の使い勝手にはさほど影響するものではありません。
飽くまでも絞りをこまめに変更できなければならないからです。
ところが...残念ながらこの解決法はありませんでした。
実は信じられないことですが、このカメラは絞りリングをダイレクトに操作することが不可能だったのです。

この事実には受け入れ難いものがありました。
何よりも「これじゃ使えない」というほかなく、撮影時に地面に叩き付けたくなる衝動に駆られたことも幾度となくあったくらいです。
露出計すらない純マニュアル機でありながら、<OM10>以下の不自由さで使わなければならないなんて...。
それでも気持を宥めスカし、LVシステムによる係り結びとその解除を繰り返しては望む絞り位置を探り当てる...という実に垢抜けない方法でようやくフィルム1本を終えたのでした。
こんな私を追い打ちするかのように、神経をさらに逆撫でしたのが、LVリングとシャッター速度リングに刻まれた滑り止め。
あまりにシャープなアルミ削り出しによる精巧な成型が逆に災いし、操作の都度私の指先を突き刺すように刺激したのであります。
ま、それでもまた使いたいと思えるのだから、というのを最後に賛辞と代えて...冬が来るまでにはまた出動してもらうつもりです。

*以上の文には誤りがあります。
 ただ、使用感などについては一概に間違いともできないため、ママとしますが、正しくはこちらもご参照いただきますよう、お願い申し上げます。
(補・2014.11.07)

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Konica IIIA/ Hexanon50mm 1:1.8
f4 1/500 Kodak GOLD100
Commented by harada at 2013-11-11 19:44 x
 押しつけがましい親切機能という事みたいですね。
 思い返せば、ピッカリコニカに代表されるように、あらぬ所でフラッシュが!とか、ピントが合致しないとシャッターが切れないとか、そんな仕組みの解除方法が直感的にわからないカメラもそうですが、とにかくおせっかい機能の家電などには、「フツーに使わして」と思う所が多々あります。
Commented by yy2828yy at 2013-11-13 02:06
haradaさん、
絞りだけをダイレクトに設定できないなんて、フルマニュアルなのに、なんとも考えられない仕様です。
まぁ、Konicaはこの後、世界初のシャッター優先式AE一眼レフなどを世に出し、一貫してシャッター優先を推していきますので、その萌芽と考えられるかも知れませんね。
Commented by マニュアル at 2016-03-03 20:49 x
カメラの右側だけリングを引けば、動かせる仕様です。
Commented by yy2828yy at 2016-03-04 19:45
マニュアルさん、
捕捉で書いたのでいいんですよね?
Commented by manual at 2016-03-09 07:26 x
失礼しました。補足されてられたのですね。お気に入りのコニカです。
by yy2828yy | 2013-11-10 21:11 | Film | Comments(5)