2006年 11月 25日
新月
飽くまで明快で凝視できないほどまぶしい太陽に対して、満ち足り欠けたりでその分翳りのある表情が豊かです。あたかも永遠を讃えるような太陽に対して、儚く無常の感を湛えてもいます。
E-500 ZD11-22mm 1:2.8-3.5
思えば、私の出身校の校章は三日月でした。「今は不完全でも、新月がやがて満月となっていくように、絶えず向上していきたいという願い、そして、自ら光を放つ訳ではなく、太陽からの光を反射している月と同様に、恵みを受けつつも世に還元する」という志を示していると教わりました。よくある表現ではありますが、それなり以上に私は感銘を受け、身近な志としても賛同して生きています。
新体制になってしまってしばらくになりますが、私のマンションのベランダから見えるスーパー『ダイエー』の看板にあるロゴマークも、前は円にならない月型でした。やがては円という完全になる意を込めているとの話を聞きました。三日月どころか、半月もとおに過ぎた月という感じでしたが・・円というのは一瞬で、月は満ちるとまた欠けていきます。私がまだ“新月”である頃、「ダイエー」はある意味満月の域にあったように思い返しています。でも月は白か銀か・・赤い月というのもあるにはありますが、どう見てもイメージ的にはオレンジや緑色でないことは確かでしょう。ダイエーのロゴマークに少しも月を感じなかった由縁です。
尤も、今のスプラウトの出来損ないみたいなヒョロヒョロ力ないカタチのロゴマークよりはずっと良かったと懐かしく思っています。
そんな月を撮りたくなっても、なかなか写真で表わすには難しいという風に以前書きましたが、どうしてもついつい撮ってしまうのです。いくら頭の中には「このレンズならこの大きさにしかならない」が叩き込まれていても、後でかすかにでも判別できればと願って・・
E-1 ZD11-22mm 1:2.8-3.5