鞄の中身

命綱

一眼レフを使う殆どの人がショルダーストラップをつけていると思いますが、今回は私が経験した、そのストラップにまつわるちょっとしたお話です。当初は何と理不尽なことかと驚き、次いで腹立たしくもなり、諦めかけたけど、最後には大いに納得するという展開でした。この経験を通して、少なくとも私は、知ると知らないとでは大違いだと感じたため少し書いてみようと思った次第です。
前回のblogではまさに予告よろしく「E-500に付けているストラップに少し問題が生じ・・」などと書きましたが、なんのことはない、要するにある部分が壊れたのです。今回は準備があったためすぐに代替部品で解決出来たのですが、数か月前に同じことが起った際には、炎天下の中走り回るような苦労をしても解決出来なかったのです。

まずは言葉でその“部分”について説明するのはとても難しいので、取り敢えず次の画像をご覧ください。
E-330/ ZD50mm 1:2.0


その“部分”即ち今回のテーマは、青い○の印を付けた箇所です。これをなんと呼ぶかを知っている人は恐らく殆どいないでしょう。もちろん、私も知りませんでした(だからこそ周り諄い方法を採らざるを得ないのですが・・)。ズバリこれを輪環(ワカン)というそうです。
因みにOLYMPUSのE-1、E-500、E-330のマニュアルには、リングという記述があります。基本的には同じ意味で、もう日本語化してしまっているリングの方が分りやすいとはいえそうですが、余りに一般的に使われるため、イメージするモノの幅が漠然と広くなり過ぎるキライもあります(実際、私が「ストラップのリング」といっても、OLYMPUSの人にすらすぐには伝わりませんでした)。

つまり、昨日もE-500に付けているストラップの“輪環”が切れてしまった訳です。なくてもすぐには困りませんが、程なく不便になるでしょう。いうまでもなくストラップの折返しを束ねたり、先端を固定させる役割を担っている箇所です。
「ストラップなんて消耗品だから買い換えればいいだけ」というのも一つの意見でしょうが、私には件のストラップでなければ都合の悪いことが幾つかあり・・とにかく、今度はストラップの画像をご覧いただきましょう。
E-330/ ZD50mm 1:2.0


現・OLYMPUS E-Systemの全ての機種には同様のストラップが同梱されています。上の画像の左側はE-1付属のものです(但し、E-500やE-330に付属のモノとは似て非なるものです)。本体ショルダー部の幅は約40mm、カメラ本体側の取り付け部に通すところは10mmくらいの幅となっています。黒字に銀の刺繍(プリント)のロゴ、私のように進んでOLYMPUSの宣伝をしたいという人間でなければ、少し面映いようなデザインだといえるかも知れません。
対して右側はOM時代のストラップで、OM-4、OM-2S/Pに同梱されていたタイプです。こうして両方を並べたのは、私はE-Systemを付属のストラップではなくOM用のモノに替えて使用しているからです。
理由は次のようなものです。

 幅が広過ぎる=前に書きましたが、持ち歩く際に手に巻付けるのに難儀します。
 布の素材がゴワゴワしていて分厚過ぎる=1と同様、手に巻付けにくいです。また、大きなレンズを余り使わない私にはオーバースペックです。
 最短の状態に調節しても長過ぎる=長いストラップこそが事故の元だと私は思っています。肩にぶら下げた場合、下に肘を張れば軍艦部にピッタリくっつく程度の長さに調節出来ないと使いにくく思います。
 最後に、これは嗜好的な問題なのですが、“Made in China”の目立つ表示がイヤです・・譬えこれが“Made in Germany”でも同様にイヤだし、“Made in U.S.A”ならもっと不快です。ただのストラップの製造場所をこれほど大きく記しているのが気にくわないし、全く必然を感じません。私はカメラメーカーであるところのOLYMPUSに賛同する意味も込めてロゴ付ストラップに拘っているわけですから、“Made in Japan”以外あり得ないでしょう。ストラップ第一に考えるのなら、国内外を問わず、OLYMPUSとは無関係のストラップ専門メーカーのモノを探して購入します。

尤も、以外の私の問題については、ボディにバランスよく付くレンズが殆どないため、出来るだけレンズがおじぎしないようにというOLYMPUSなりの配慮の可能性があることには言及しておく必要があるかもしれません。

要するに、私は付属ストラップが気に入らずに、数本隠しておいた旧OM用ストラップの新品ストックをおろしてきてE-1、E-500、E-330それぞれに付けている訳です。これなら丁度いい長さに調節できるし、幅も20mmあまりで、巻付ける方の手も馴染んでいます。ただ少しのカスタムを施しています。OM用のストラップは長さ調節用の止め具が金属製で、華奢なE-500にこれが擦れるとすぐに傷だらけになってしまうことが予測されます。オリジナルをそのまま使いたかったのですが("Made in Japan"はこんなところに小さく刻印されています)、やむなくここだけを同梱のストラップの付属のプラスティックのモノと交換しているのです。
近頃は、E-500のマニュアルでも、ストラップを三重に折り込む取付け法を図示していますが、昔は二重にするのが一般的でした。私は昔から三重にしていたのですが、件のOM用ストラップは二重を想定して拵えられていたのかもしれません。全体が同じ布素材で出来ているため、太い部分はしなやかですが、細い部分は幾分ゴワゴワしているといえなくもありません。しかもその細い部分は、即ち輪環を3度通る部分ともなるため、しなやかさが余りないことは輪環にストレスを与えてしまうことに繋がります。輪環が切れたのは、このせいによることも十分に考えられそうです。尤も、OMに付けているモノは切れたことがないので、E-Systemのカメラ(不釣合なレンズも含めての)では少し難があるというのが適当でしょうか。

さて、輪環切れが初めて起ったのは今年の4月でした。E-330に付けたヤツがやられました。上で述べたようなことは、当初から考えてはいたのですが、実際にこれほど早くに見舞われるとは思わなかったのです。しかし策はありました。E-System同梱ストラップのモノを流用すればいいのです。ピッタリイコールの形とサイズではありませんが、元よりそれほどの厳密さが必要なモノだとも思えませんし、事実それなりに合います。
ところが、その後6月にE-1に付けたヤツがやられた時は、少し慌てて新発売となった別売ストラップを試しに購入してみることにしました。タダとは違うモノへの期待もありましたし、やはりE-Systemには、OM用よりも相応しいストラップを探す必要を感じてもいたからです。ところが・・確かに素材は柔らかで手に巻く際は幅広でもそれなりに馴染んでくれたものの、長過ぎました。そしてまたしてもの・・まぁ画像をご覧ください。
E-330/ ZD50mm 1:2.0


イライラッより溜息です・・
結局、元に戻らざるを得なくなったのですが、そうなると「もし、再び切れて、次も切れて、また切れたら・・アウト」という妄想の沼にはまり込んでしまうものです。しばらくは不安にならない程度の予備を入手しようと思うに至りました。この時点では、ごく独りよがりに造作ないことだと決め込んでいたのです。そして徐に「こんなもの、すぐに見つかる部品だろう」と軽く考えて探し始めました。
ところが、『コーナン』がアウト、『ユザワヤ』もアウト、最後の頼みの『Tokyu Hands』もアウトに至って一気に青ざめてしまったのです。全くエコロジーではない遣り方で、顰蹙モノとも思われますが、取り外す目的だけに同等のモノが付いた鞄なりストラップなりを100円ショップ漁りもしました。が、これもダメ。もちろん、インターネットの検索も様々に試みたものの、“ストラップ”で一番ヒットするのが携帯電話関連という有様です・・当然、ヒットもなし。

こうなればと、“販売元ではあるけど製造とは無関係だというのが明白な”OLYMPUSに電話をしてみました。先ずは大阪サービスセンター、次いでサポートセンターです。最初に少し書いたように、まず理解してもらうのに多大な努力を要しました。その苦労虚しく、結局「リング(輪環)だけの部品という取扱いは出来ない」との返答でした。しかし私としても、にわかに「はい、そうですか」と納得など出来ようはずはありません。「エコロジーを大事にするはずのOLYMPUSがそんなことでいいのですか?」とこっちも切り返したり(一体どの口が・・)するというすったもんだの果に、特別のお取り計いをいただき、2つだけを郵送いただいたのですが、折角の好意は好意として、これでは根本の解決にはなりません。忸怩たる思いだけが残りました。

問題は「どうしてこんなものが切れただけでストラップ全体をオシャカにしないといけないシステムなんだ?」ということなのです。諦めきれずに用品メーカー数社にも相次いで電話をしてみましたが、いずれもダメ。ダメとなればまた余計に納得がいかなくなるのが私の悪い性分なのですが、どう考えても理不尽です。ストラップ自体は余程酷使をする人以外、現在のデジタル一眼の寿命よりは遥かに長く使えるモノの筈です。
と、ここではたと気が付いたのです。酷使=プロ=Nikon。「そうだ、Nikonに聞いてみよう」・・果して、やはりNikonにはありました!輪環という単語を教えて下さったのもNikonの方です。「流石は!」という気持と「そりゃあ、普通そうやわなぁ」という気持が妙に入り交じります。
1つ当り90円也。妥当な価格かどうかは別にして、この金額×交換回数だけの投資で、ストラップが切れるまで使い続けられるという保証を得られるのなら万々歳です。実際に使用してみて、サイズもほぼぴったり、そして心配したNikonの刻印もありません(あったら申し訳ないですがヤスリで削ろうと思っていました)。まとめて20ほど入手しておいたので、当分は安心です。

もしNikonの方やNikonユーザーの方がこれをご覧になれば「何を今更に当り前のことに感動して、アホちゃう?」とお感じになるかもしれません。見つけられたのは幸運でしたが、現実というものを少し感じたようで、かなり淋しい思いをしたのも確かです。
四半世紀以上もお付合いさせていただいて、OLYMPUSのサービスが優れていることには心底感服しています。実際に私の知る何人かの方は、業界でもナンバーワンのレベルにおられると思っています。ただ、このことは個人個人のレベルの問題であり、カメラメーカーとしての問題ではないように思いました。これだけを取り上げ、カメラというモノに対する、メーカーとしての姿勢の違い、ひいてはその優劣を感じてしまうのは私の早計なのでしょうか。いや、私側の早とちりだと断じられるのならば、むしろ安堵を感じる訳ですが・・。

とにかく、もしお気に入りのストラップの輪環が切れた際は、即、優良なカメラ店で「Nikonのストラップ輪環を取り寄せて下さい」でOKだということです(大抵の場合において、店員さんへの説明は必要でしょうが)。もちろん、切れる前のストックとしてお買いになるのも自由であります。
by yy2828yy | 2006-11-22 20:03 | ヒト・モノ考 | Trackback | Comments(0)
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