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鞄の中身 かばん の なかみ : 出かける時は、どうも手ぶらじゃダメ…そんな私の鞄には…?

Black & White

前回は自己弁護に終始しながらの「Black Lord」到来ご報告と相成ったわけですが、これまで何年もの間、決して手をこまねいていたのではありません。
『Nカメラ店』にあるジャンク個体を時折確認しつつ、某オークションでも気を付けてはおりました。
しかし、絶対数が少ない上に、見掛けても不安な個体ばかり...それがかなりの高額でやり取りされているとなれば、入札へのアクションすらおいそれと起こす気にはなれないものです。
一方でブラックに拘らなければ<Lord IVB>の出物はそれなりにはありますが、果たして<Lord IVB>にクロームボディだけしかなければここまでの執念を抱いたかどうかといえば、恐らく「否」でしょう。
一気にスマートで近代的風貌となった<Lord-5D>に較べて、よりオリジナルな風情を保っている<Lord IV>のボディデザインには確かに魅力を感じます。
それでも、既に不満なく愛用している<Lord-5D>にもしブラックがあれば、その方が良かった筈だと思うのです。
私がおかしな未練を抱く理由は、まさしく「Black Lord」の俗称にあり、即ち「Lordシリーズ唯一のブラックペイント」という事実にブラックカメラ好きが囚われてしまったからでしょう。
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が、しかし、にも関わらず、「これから先ブラックを手に入れたところで、どうせクロームも欲しくなるよ」という悪魔の囁きに従うのにさほど時間はかかりませんでした。
いや、それまでにも<Lord-5D>に感激した結果、複数台を入手し、<Lord SE>にも手を出していたわけですから、端から道は付いていたんでしょうね。

で、程なく一台を落札。
よりタマ数も多いクロームボディとはいえ、外観はおろか機構的に安心できそうなモノが少ないのはブラックと同様です。
ただ、落札価格はそれなりにリーズナブルに推移しており、「ジャンクで1,000円程度」なら、まぁ失敗してもいいだろうと割り切れた次第です。
ところが...この落札で届いたのは、<Lord IVA>。
オークション自体が「掲載画像はボケボケ、説明もほとんどなし」だったものの、変にスレた出品者よりもいいだろうと自ら納得の上ではありました。
とまれ、つもりとは微妙に違うモノが届いたことになりますが、「まぁ、レンズの明るさが違うだけやん!」とすぐに気を取り直したのは、付属の純正フードの効能...否、本体よりもレアかも知れないアクセサリーに却って気を良くしてしまったからです。
ただ一方で、肝心なはずの本体はというと、外装等なかなか綺麗ながら巻上げとシャッターチャージの連携に不具合がありました。
結局、このボディは不具合の解消努力にも至らぬまま数週間が過ぎ、その間追って入手した<Lord IVB>もフィルムカウンターが調子悪く、なんだか気勢を殺がれた私は2台ものLordを放置することになったのです。
これではジャンクがジャンクを呼んだといえる有様...もともとが「何時かのブラックに向けて」の行動だったとイイワケを試みたところで、現状は呆れるべきという以外なさそうですね。
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ところが、かの「Black Lord」の到来によって、封印されるように箱の中に収まっていたこれらボディの状況がにわかに一転することになります。
やって来た黒いヤツは、「シャッターは切れます、巻き上げもできます」と説明にあったとおりで、外装は経年相応にトップカバーや底カバーの角スレ、張革の傷みなどがあるものの、機構はなかなかスムーズに作動しており、レンズもそこそこの状態。
そのままでも試写はできそうでしたが、私としてはファインダーの汚れが気になりました。
気持いい視野を得るには、外部からの清掃だけではなく、トップカバー内側にアクセスする必要もありそうです。
この作業自体はさほど難易度が高いとは想いませんでしたが、なんせ相手は虎の子の「Black Lord」。
普通なら素人療法が万一失敗した時のことが頭を過り、安易に手を下すのは躊躇われるでしょう。
でも、既に手許にはほぼ同機構のモノが2台...つまり、いきなり虎の子に手探りで挑まなくてもいい余裕があるということになります。
問題が残るとすれば、今まで残っているだけで貴重なクラシックカメラを己の勝手な都合で差別するようだという己のちっぽけな罪悪感ですが、しかし今回は何れもが不完全な状態だったのも大きな気休めとなりました。

お誂え向きというべく状況のもと、晴れて「Black Lord」のファインダーはスッキリし、<Lord IVB>のフィルムカウンターも正常に作動するようになり、そして<Lord IVA>の巻上とシャッターチャージの問題も解消されたのであります。
これ以上ないような「めでたし、めでたし」を招いた展開は、(決して自己弁護を重ねるつもりはないのですよ)やっぱり日頃の「善行」なくしてなかったように思うのですが、如何でしょう?
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Commented by M2_pict at 2015-08-17 07:07
ああ、いけません。こういう転がり込み方が一番、、、の結果ですね。
おめでとうございます(^^
いや、美しい佇まいです。

シリーズ唯一のブラックという響きの引力も良く知るところですが、無名に近いシリーズ故のストイックさが光る気がします。
Commented by yy2828yy at 2015-08-18 23:21
M2さん、
こっちがガツガツしていない時の方が、モノとの関係も良い方向に流れるような気がします。
で、ブラックの方は、まぁご覧のとおりなのですが、クロームの状態がとても綺麗なのです。
ちゃんと使って、また結果をご覧いただこうと...。
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by yy2828yy | 2015-08-16 20:51 | Film | Comments(2)