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鞄の中身 かばん の なかみ : 出かける時は、どうも手ぶらじゃダメ…そんな私の鞄には…?

たった一片のガラスが...

ここのところ、<Retina II>に対する自身の想いを書き続けております。
この気持には些かの誇張もないつもりですが、そんなに好きなカメラなら何故1年近くも放ったらかしにしてきたのかを怪訝に想われる方も少なくないかも知れません。
ファインダー系の小窓にヒビが入ったとはいっても、素材はガラスであり、修理に出さないまでも、代替品を見つけるのはさほど難しいことではなかろう、と。
実際、異変に気付いた時、私はすぐにトップカバーを開け、ガラスを取り除くことはしたのです。
その折、ガラスのサイズが13×10mm程度であることも調べました。
それらしい大きさのガラスを尋ねて、『Nカメラ店」のご主人に相談もし、カットすれば使えそうなガラスはすぐに入手してもいたのですが...。
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以降が続かなくなってしまったのは、第一にガラスのカットが難しそうだということでした。
そして、やはり純正のガラスはそれなりに考えられ、素材も選ばれたものに違いない...という逃避モードに入ってしまったのです。
ただ、だからといって、愛機が不完全でいることには耐えられない性分まで抑えることはできません。
そこで私が考えたのは、壊れたモノでもいいから同じカメラを探し出してガラス部だけを摘出、移植することでした。


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で、<Retina IIa>のジャンクがネガフィルム1本程度の額で入手できたのは、それからほどないことだったのです。
この型なら実家で父の防湿庫にも入っているものなので、部品取りにしても惜しくはありません。
やってきたのは<Xenon50mm F2>付、レンズの状態はとてもいいようです。
ボディそのものもそこそこ綺麗ながら、残念なことにシャッター関連がダメ、また既に誰かが弄った形跡が認められました。
とまれ、ガラスさえ取れればいいと作業を開始...ところが、ところが、巻上レバー軸のカニ目が固く、テコでも動かないのです。
そもそも、既に誰かが弄ったことが想像できたのはこの部分に著しい傷跡が付いていたからであり、即ち、過去に弄ろうとした人も諦めたということなのでしょう。
ベンジン作戦やら「KURE CRC」なども試してみましたが、ビクともせず...これではガラスの取り出しもできないと座礁してしまいました。
ボディを叩き壊して...なんて衝動に駆られなかったといえば嘘になるけれど、そうできなかった一番の理由は何故かピカピカの<Xenon50mm F2>にジッと見つめられたから。

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結局、焦らずにまたもう一つを探すことに。
今度はなるべくこのレンズが活用できるような状態のモノを...というスケベ根性に引っ張られ、一年近くの日々を要してしまったというわけです。
ようやくポジフィルム2本程度の出費で同じ<Retina IIa>が入手できたのは、昨年暮れ近くのことでした。
今度はレンズに少し曇りがあるものの、機構はほぼ完璧で、距離計の調整さえすればすぐに使えそうです。
私が小躍りしたことはいうまでもありません。
ただ、しかし...私は根本的な問題を完全に何処かへうっちゃっておりました。
そう、2台目のボディ探しに至ったのは「流用のための部品が取り出せない」からであり、これが解決しないことには、如何に<Xenon50mm F2>がピカピカであろうが、ボディがキチンと動こうが仕方がないのであります。
「木乃伊とりが木乃伊になる」とはまさにこのこと...否、私にはとてもこれが多いのですけれど。
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しばし頭を抱えつつも、仕方がないので、取り敢えず今度の動く方のボディに前の綺麗なレンズを取り付けることにしました。
シャッターの前と後のレンズ群はそれぞれ簡単に外れるので、難なく交換はできます。
尤も、問題は解決どころか余計に大きくなったともいえましょう。
なのに、ちゃんと使えそうなカメラがまた一台、しかも姉妹機というべく姿を前にすると、ニヤけてしまう自分は抑えられません。
「こんなええもんがたかだか3,000円で手に入ったんやから、またもう一台くらい...」
とも想いましたが、斯様に少し大胆になった気持が最後のダメモトへと私を後押ししたのでした。
巻上レバー軸カニ目が固着してしまったボディのあちこちを力の限りこねくり回していると...うわぁっ、カニ目が動いた!
そういえば、『Nカメラ店』常連のU氏が「モノによっては数ヶ月ベンジンに浸したままのがある」なんていってましたっけ。
諦めて放置している間に「KURE CRC」がいい具合に浸透してくれたのかも知れません。
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と、まぁそういうわけで、めでたしめでたし、というか、何時もながらの呆れた顛末。
とにかく、揃った姉妹をご覧ください。
似ているところが多いですが、異なる細部は意外に両者の印象を大きく違えているように思います。
個人的には、やっぱり<Ektar47mm>付の<Retina II>の方がいいですね。
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Commented by harada at 2015-01-25 01:23 x
こんばんは。
 ボディと叩き壊す、、お気持ちはじゅうぶん理解できます。人格が変わる手前で良かったですね^_^
蛇腹のカメラがこんなに魅惑的だとは、、。
 奇麗なブツ撮りと、いざなう文章は罪ですよ、、。
Commented by yy2828yy at 2015-01-25 21:15
haradaさん、
部品取りなんて簡単にいっていますが、そうすることはちゃんと治せるかもしれないモノをこの世から一つ消し去るということでもあります。
これを想うと、とても申し訳なくなるわけですね。
とにかく、まだそれなりに手に入るうちに是非1台でも2台でも...
Commented by M2_pict at 2015-01-26 08:42
>木乃伊とりが木乃伊に、、、
正に文字通りなのでしょうけれど、身に覚えのある事でもあり(^^;
そして得てして増えてしまいますね。
大体のところ、予想通りではありましたと、敢えてご報告いたします。
おめでとうございます。

うちの最後期フォールディングRetina兄弟もそうですが、微妙な違いも思いの外影響は大きいのだと思います。
同じようで違うところも結構多かったり。

世に出て半世紀以上の個体。
これなら大事に使いさえすれば自身の寿命のうちは安心か、、、とか思ったりもします(^^
Commented by yy2828yy at 2015-01-27 06:39
M2さん、
いやぁ、持って回った展開ですみません。
きっとバレているだろうとは思っておりましたが、それでもなんだか照れ臭く...
ま、これでよくおかしくなるカウンター周りの板バネなどのストックがあることになりますし、張り革(本革ですね)も。
仰るとおり、残りの人生には充分付き合ってもらえそうです。
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by yy2828yy | 2015-01-24 13:44 | Film | Comments(4)