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鞄の中身 かばん の なかみ : 出かける時は、どうも手ぶらじゃダメ…そんな私の鞄には…?

人呼んで、キカイダー

「マニュアル機に露出計は不要」が私の理想です。
こういうと、「あっても使わなければいいじゃないか」とご指摘を受けるかも知れません。
ただ「ない以上は壊れることもない」という理は旧いモノの場合大事なことだと思うのです。
とりわけ私は「どうせ使わないから壊れていてもいい」とは考えられない性質ですから。
<PEN-F>を愛用しながら<PEN-FT>は所有しない最大の理由も露出計の有無にあります。
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Lord入手を検討し始めた時も、「露出計なし」は基本条件の第一位でしたし、ほぼ同時期に増殖したレンジファインダー機の全ても露出計なしです。
なのに<Lord SE>はやってきました。
1958年登場の<Lord SE>は、非連動ながらセレン式露出計を搭載しています。
これを人からいただいたのではなく、自らそうすることを決めたのですから、初っ端からイイワケをしようとしている所以です。
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とにかく、入手したのは「気に入ったから」ということ。
しかも、初めて画像で姿を見た第一印象で好感を抱いたのですが、決め手はたったの二つでした。
まず一つは純正フードです。
これまでのシリーズとは異なる角形で、“Load SE”の刻印がボディ全体の見栄えをなお向上させるのに寄与していました。
「恐らくボディよりもレアかもしれない」との想いも過ぎります。
二つ目は問題の露出計部でした。
なんと、この部分がごっそりと取り外せる仕様となっているようなのです。
ちょうどネットで画像を漁った時にも、初めて遭遇したのは露出計部が外された状態のものでした。
これなら万一壊れても外してしまえばいいことになります。
今や、露出計といえば本体の露光機構との連動を連想しますが、搭載されているのは非連動なので成せるワザかと。
尤も、外すにはドライバーは必要で、クリップオンフラッシュのように着脱が容易なわけではありません。
また、外してしまうと、本来あるべき場所が凹んだ具合になり、段違いになった見映えはお世辞にもいいとはいえないでしょう。
否、そもそもが美しいアウトラインを持ちながら、露出計の部分を含める取って付けたようなデザインがなんともちぐはぐなのです。
ところが、何故かそこに魅力を感じた私でした。
そればかりか、いい得ぬ懐かしさの感情すら芽生えたのですから...。
不思議な凸凹感は左右対称の調和を敢えて崩した片チンバのイメージに繋がります。
このインパクトの強さが「不釣合なのにカッコいい」と思わせるのでしょう。
私は、咄嗟にあの『人造人間キカイダー』を連想したのでした。
いったん、こんなイメージを抱いてしまうと、最早多少の欠点など気にならなくなるものです。
すぐに手にして使ってみることに決めたのでした。
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かくしてやって来た<Lord SE>は、フードともにかなり綺麗な状態で、各部の作動も良好でした。
唯一、レンズ前群に一点の黴には、その箇所にアクセスするのにかなりの難儀を強いられましたが、かの『Nカメラ店』常連のU氏に助けを借り、なんとかクリア。
ファインダーの清掃もスムーズに完了したのであります。
画像から受けた印象は実際に触れても然程変わることはありませんでした。
ツクリはシッカリしている分、大きさもかなりあります。
私としては、この重量と大きさの問題は唯一にして最大の欠点としたいところですが、まぁ元より<Lord-5D>と同等の存在として入手したつもりはないので、これでも立派な儲け物とすべきでしょう。
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各部はご覧の通りで、それぞれのツクリと仕上げの質は上々です。
操作面でも様々な工夫に満ちており、自ずと一般とは異なる箇所も少なくありません。
外して単体として使っても面白そうな露出計は、古いながらに相応に作動しています。
個人的に好きでないセレンのブツブツが普段は隠せるようになっているのも嬉しいところ。
いや、しかし、これを見ていると「光輝く太陽電池の...」、そう、キカイダーでも「キカイダー01」といっても悪くはない気がしてきますね。
とにかく、実用以外に想像で遊ぶことのできるところも、このカメラの大きな魅力の一つであります。
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Commented by M2_pict at 2013-12-03 09:14
これは初めて拝見しました。
なんですか、その“蓋”、その周辺のギミック!
そして妙なくらいに美しい個体。

時々蓋を開けて太陽光を取り込んで変身、、、させたいものですね。
Commented by harurei at 2013-12-04 01:09
文句なく格好いい!
純正フードをつけた姿のバランスが絶妙で
写真を見ているだけで惚けてしまう・・・
Commented by yy2828yy at 2013-12-04 20:10
M2さん、
いや、ほんとうに申し訳ないくらいに美しく、この点でもポイントは高かったように思います。
これだけのカメラがあったんだなぁ、との驚きに近い感動が未だに渦巻いているのですよ。
これからも大事に使わなければ、と決意を新たかにしております。
Commented by yy2828yy at 2013-12-04 20:11
harureiさん、
なんだか自分が褒められているように心地良く感じるのが不思議ですね。
このフード、ほんとうに使うのが惜しいくらいに綺麗なんですよ。
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by yy2828yy | 2013-12-02 22:37 | Film | Comments(4)