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鞄の中身 かばん の なかみ : 出かける時は、どうも手ぶらじゃダメ…そんな私の鞄には…?

光を写せるレンズ?

普通のカメラから巻上レバーがなくなって久しい中、<WERRA>という機種を一見して何の不思議さも抱かない人は少なくない...否、そんな人の方がずっと多いことでしょう。
よって、このカメラの不思議さの元たる珍しい機構について語るにしても相応の難しさがある今日といえるわけです。
しかしながら、拙blogがそんなことを丁寧に示す場所でないこともご承知いただいているとは思いますので、仕組や各部特徴についての詳細は他のサイトに譲るとして、レンズ部のカバーを兼ねたフード、ボディ底部にレイアウトされた巻戻しクランクなどの画像紹介にとどめることとします(実は、レンズキャップも統一的なデザインによる美しいモノなのですが、喪うと困るので置いてきました)。
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光を写せるレンズ?_e0101258_2104824.jpg


本機の巻上げは、現在のカメラのようにモーターによる自動でないのはいうまでもありませんが、レバーで行うものでもありません。
レンズシャッター機であることから、レンズ基部のリング(ボディやフードと同じ張り革が施された)で行うのです。
まるでピント合わせのヘリコイドのようなリングを時計回りに動かすと「ジリジリジリジャッ」という音でフィルムが巻上げられシャッターがチャージされます。
一般とは逆に左手側が広くとられた本機のボディデザインは、この機構と操作のためかと想像されます。
ボディ上部に設けられた唯一の操作部たるレリーズボタンはかなり大振りで触感は良く、またレリーズ感の小気味良さも特筆ものです。

とにかく、こんなスッキリしたデザインのカメラが半世紀以上も前のモノとは半ば信じ難いものがありますね。
余談ながら、ボディ前面の「WERRA 1」というオモチャみたいなエンブレムはない方がいいような...ボディの製造ロットによってはないモノも存在するので、コイツだけはいただけません。
光を写せるレンズ?_e0101258_2103675.jpg


さて、撮影結果の一部は既に前回ご覧いただいた通りです。
心配された目測による焦点合わせも、大きく外したコマはなかったようです。
何時もの撮るに足りない被写体が、実にシャープに、かつ微妙な空気感でもって再現されているのに私自身驚いています。
「合焦状況がファインダーで見えないからピントを合わせる愉しみがない」
<WERRA1>の最大の欠点だという私の気持に変わりはありませんが、しかし、写りを見てしまった今、もうちょっとアレコレとお付き合いいただきたいと思っているところなのです。

ところが実に残念なことに、36枚撮フィルムの三分の二ほどのカットに光漏れのような症状がかなり派手に生じておりました。
甚だしくやられたカットに全ていいモノがあった...と、せめていわせてやってくださいな。
もちろん、このトラブルは個体の問題と考えるべきでしょう。
殆ど撮ることもなく防湿庫にしまい込んだままでは...。
裏蓋開閉式ではなく、背面が底部ごと外れる構造ですが、もともとボディ底部に様々なノブがある(即ち穴もある)旧いカメラを、殆どメンテナンスしないままで置いていては無理ないこととすべきかも知れません。
それでも、このままでは気持が悪いのでなんとか原因を追求したいところです。
就中、このレンズは「光そのものが写る」といいましょうか、逆光気味にかなりキツめの光がレンズに入るような状況で生じるハレーションにとても魅力があります。
ただ、こんな状態ではレンズの特性か、はたまた単なる光被りによるものなのかも判りませんから。
光を写せるレンズ?_e0101258_2102543.jpg
WERRA 1/ Carl Zeiss Jena Tessar50mm 1:2.8
f8 1/125 Kodak ProFoto XL100
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by yy2828yy | 2013-03-13 21:09 | Film | Comments(0)