2013年 02月 02日
片時も離さずに...
ところが、一通りの操作をしようとしたら敢えなく引っ掛かりました。
レリーズボタンと思しきモノを押してもシャッターがリリースできないのです。
レンズ周りのリリースピンへは連結しているのですが...。
こんな時はネットで調べなくても、幸い近所には「Nカメラ店」があります。
気心の知れたご主人なら、さほどの恥を忍ばなくても尋ねることができそうです。
開放 1/100 Kodak GOLD100
店を訪れた私がおもむろに鞄から取り出したカメラを見たご主人は、
「あ、Retinaじゃないですか!」
その反応に対して少し自慢げな顔をしてから「いや、実は...」と泣きついたのですが、解決策は実に呆気ないものでした。
なんと、このカメラはフィルムを装填しないとレリーズボタンが効かない構造になっているのです。
フィルムを売りたいKodakの策略か...との穿った見方もできますが、このようなフォールディング式カメラを無闇に弄ることはそれだけ蛇腹を傷めることにも繋がります。
今となってみれば却って有り難い設計といえるのかも知れません。
f8 1/250 Kodak GOLD100
取っ掛かりでちょっと躓いたものの、疑問が解けてから慣れるまではとても早かったように思います。
すぐに使えてもなかなか手に馴染めなかったり、いちいち各部を見ないと扱いにくいカメラというのはいくらでもあるのですが、この<Retina II>はあたかも長い間使ってきたように私の手に収まるようになりました。
また、使わない時のコンパクトさにこれほど手や掌が心地よさを覚えたこともありません。
必要な時に「パカッ」と前蓋を開け、「ギュルギュル」とダイヤルで巻上げ、絞り、シャッター速度をセットしてから「ジリッ」とシャッターをチャージ。
左親指でピントを合せてレリーズボタンで「チッ」。
すっかりこのルーチンの虜になったので、正味3日で36枚撮1本を終えてしまったくらいです。
空シャッターを切って心身を寄せるということができないから、畳んだままの状態を撫でていたのですが、飽き足らずにすぐに新たなフィルムを入れました。
ハッキリいって、すっかり惚れ込んでしまったようで、ずっと手にしていたいのです。
肝心の“網膜”についても、まさに前回からご覧いただいている通りの実力ときては無理ありませんよね...。
f5.6 1/250 Kodak GOLD100
想像しただけで、こちらまでニヤケてしまいそうです(^^
RetinaにEltarレンズ、そしてGOLD100。
そのうちEktarフィルムも是非。
心地よさの擬音の一文。
私で言えばMAMIYA-Cがソレに当たるでしょうか。
いちいち要求される所作と、その動作による音が実に快いのです。
ほんとうに愉しいですよ。
今までの時間を無駄にしたという気がするほどです。
もちろん、Ektar100はおいおい装填しようと思っておりますのでご期待ください。
その前に<Retina III>を...とも考えているのですが。
レンズシャッターのマナーというのは、仰る通りいちいち要求されることやタブーがあって...今やそれも快感です。