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鞄の中身 かばん の なかみ : 出かける時は、どうも手ぶらじゃダメ…そんな私の鞄には…?

信じてます...

事起しが謝罪というカタチで終った「来春新設大学の認可見送り」騒動について、田中角栄の娘を擁護する気はさらさらないし、また、彼女が如何なる決意をもって臨んだのかは知る由もないけれど、多くが非難ばかりする向きに私は違和感を覚えます。
況してや、未だ大学ではない認可を受ける側が、いわば空手形を掲げて声をかけたともいえるのに、受験生を盾にして凄むのはどういうことか、と。
そんな中、私は単なる個別の問題ではなく、この世の一つの縮図として感じた次第です。
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OM-2N/ Zuiko28mm 1:2.0
f4 Auto Kodak ProFoto XL100

これまで一般にはあまり見えなかった問題がまた一つ、今回の騒動で明るみに出たのは意義深いと思います。
しかし、大学在学中の早い時期から行われる就職活動、まだ土台すらない更地なのに販売を始める新築住宅...いずれも似たような話ではないでしょうか。
いわば、こんなおかしなシステムの中にわれわれ個々は好まざるともあるといえます。
そして問題や事件が起こった(明るみに出た)時にだけ、受験生、就職活動者、そして欠陥住宅購入者は、気の毒な被害者として祭り上げられるのです。

でも、私が変だと思うのは、個々が好まないようなシステムから何故皆が離れないのかということです。
・入った以上、キチンと学校を卒業してからの自身を売り込むのが就職活動
・内装まで仕上がった状態を見てから考える新築住宅
100円で買えるようなモノでも眼で見、手に取り選んでいるのに、人生のより大事においてそれを許さないのはどう考えてもおかしい筈です。
それでも「おかしくてもこれが現実であり、抗えない」とする人が多いからこそ、かくのごときシステムが継続します。
多くの人はその中にいなければならないとして日々を送っているようですが、そんな多くの人が必要を認めなくなれば、自ずとおかしなシステムなどなくなります。
だからこそ、個々をシステムの中に雁字搦めにしようとせん力が働くわけです。
それを目論むのは、個々の人生の大事などどうでもいいとする存在に他なりませんが、個々は何時しか自身の大事よりも得体の知れないモノを信じさせられてしまっているのでしょう。

ま、以上のようなことは子供の頃からずっと想ってきた青臭い話ではあります。
誰しもが多かれ少なかれ気付いていることでもありましょう。
といって、これらに対してとりわけ強い意思や意識をもってきたとの自覚はありません。
即ち、何処かで何かを信じるような気持で矛先を鈍くして生きてきたわけです。

そんな体たらくだから、その姿の欠片すらない「単焦点標準レンズ」や「単焦点広角レンズ」を夢見て、E-SYSTEMという偽装マンションみたいなモノに引っかかったりもするわけです。
もちろん、徒に妄想したのではなく、複数のOLYMPUSの人が「必ず出します」といったのが後押しになったからではあります。
でも、赤の他人に過ぎない人の言を5年以上も信じ続けた阿呆はこの自分なのです。
否、信じる先にあるのは赤の他人ではなく、紛うことなきOMだというお題目を唱えて...。

こんな「ある哀れな阿呆の話」から間違いなく分るのは信じることの愚かさです。
決して信じることを全否定するつもりはありませんし、愚かがいけないわけでもないと思います。
それでも、「信じる」を口にすれば、如何にも穢れのなさそうなことばの響きも相俟って、己の感覚や思考を横着かつ怠惰にさせる危険を共にすることは忘れてはならないでしょう。
今となって振り返れば、<E-1>発表時に真っ先に自身が抱いた「あれ?」という感覚が全てだったのですが、焦点のぼやけた「信じる」気持がその感覚を麻痺させたのです。

もし「何か」を信じるのであれば、その「何か」に対してのみ、ストレートに向けられるべきだということを遅ればせながらに悟りました。
30年余もの間、我が眼や掌と共にある<OM-2N>や<OM-1>は、少なくとも私にとっては信じるに足るものです。
しかし、単にそれを製造していたという理由だけでOLYMPUSを信じるなんて、まさに独りよがりの迷走に過ぎません。
自らが触れもせず、見もしないモノを信じるのは、建ってもいない不良住宅の購入契約をするのと同じです。
おかしなシステムに自ら組み込まれていったともいえるでしょう。
騙される方が悪いとまではいいたくありませんが、自身の横着さと愚かさは恥ずべきことです。
果して「信じる愚かさ」を言い換えるなら、己が愚かとされてもいいとする気持こそが信じることの本質なのかも知れません。
かくして今、私は胸を張って<OM-2N>を、そして<OM-1>を信じているといい切れるんだと思うわけです。
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OM-1/ Zuiko28mm 1:2.0
開放 1/8 Kodak ProFoto XL100
Commented by kurobei-LEICA at 2012-11-15 21:14
yy2828yyさん、こんにちは~♪

前半部分、おおいに頷かされる内容でした。
当たり前と思って受け入れてしまっていることも疑って掛らねばなりませんね。

そして、後半のE-SYSTEMの件・・・。
稚拙、力不足なだけなら仕方がないとあきらめもつきますが、
詐欺紛いのその場しのぎのウソはいけません。
どっかの政党と同じで、一番大切な、信用・信頼をなくします。
いったん人が離れてしまったら、将来の展望はお寒い限りだと思います。
Commented by yy2828yy at 2012-11-15 23:14
kurobei-LEICAさん、
すぐに右往左往せずにじっと動かないのも大事だと私は思うし、なるべくそうしてきたつもりはあります。
こういう態度を嫌う風潮は、しかし、根強いですね。

OLYMPUSなんて、所詮は商売主義の三流メーカーだと思います。
OMやPENという奇跡が起きて、それがあまりにすごかったため、みんな買い被り過ぎているだけなのだと。
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by yy2828yy | 2012-11-15 19:13 | Film | Comments(2)