鞄の中身

懇談済 〜TB企画 ”拝啓、オリジナルフォーサーズ殿”

小学校の頃の通知簿には「担任所見」という欄があり、いわゆる数字による学期ごとの評価以外に、成績傾向や生活態度などが具体的に記されるわけですが、私の所見欄には時折「懇談済」とだけ記されていることがありました。
要するに、(様々な問題については)既に懇談会で事細かく直に父兄に伝えたから、改めて書く必要なし、ということです。
担任の先生はそうやって一回ズボラをすることができますが、私が叱られる回数は減ることなく、むしろ余分に叱言をもらうのがオチでした。

さて、M2さんこの企画に関しては、「よくぞやって下さった!」と喝采しながら、自身としては、折しも既にブツブツの限りを尽くしたところで、まさに「懇談済」と苦笑いしてしまいました。
尤も、だからといって黙っていられる私ではありません。
以下、お聞き苦しいでしょうが、しばしおつきあいください。



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E-500/ ZD11-22mm 1:2.8-3.5
F: 11mm 絞り優先AE: 開放 -0.3EV

私が初めて自身で所持したデジタル一眼レフは<E-500>でした。
購入の際には、2005年の12月にスペインに行くため、という珍しく明確な理由がありました。
旅は大抵いつも独りですが、初めての地でもあるし、フィルムを大量に持って行きたくなかったからです。
特に、美術館内の撮影もしたかったので、高感度フィルムの用意も必要でした。

その数年前から、デジタル一眼レフがフィルムの35mm一眼レフにとって変わる流れは既に一般的になっていました。
私も遅ればせながら試してみようと考え、出発の約1ヶ月前にちょうど発売される<E-500>に目星を付けたわけです。

2003年からOLYMPUSが展開しているE-Systemについては、<E-1>はもちろん、<E-300>の発表会にもキチンと出席し、それなりの知識を得ていました。
満を持して出したはずの<E-1>なのに、売れ行きは芳しくなく、OLYMPUSは苦戦を強いられていました。
その当時でも、もう既に勝負はあったという状態で、NikonとCによる二強の地位は盤石だったのです。

他社を選択するという考えは端からなかったものの、「これがいい」という気持でなかったのも確かです。
カメラそのものは、それなりに好感が持てるものだったのですが、如何せん、レンズのラインアップが話になりません。
常用の明るい単焦点レンズがなく、あろうことか、性能を示す際に基本となるべく「標準レンズ」すらない有様。
私が<E-1>を静観せしめた最大の原因が、2年を経て、未だにどうにもなっていないのです。

こんな口頭でのやりとりなんて、なんの効力もないことくらい分かりますが、少なくとも私は政治屋のマニフェストなんぞよりも大事に感じます。
「広角、標準の単焦点は今後ちゃんと揃えます」
というOLYMPUS側のことばを私はハッキリと返答として得たのです。
<E-1>の発表会場でも、<E-300>の発表会場でも、そして、発売前の事前チェックをさせて貰ったOLYMPUSプラザ大阪(当時は南船場にありました)での応対は、まだデジタルに躊躇いがあった私を、後押ししてくれるに充分でした。
「今は半端やけど、まもなく単焦点が揃ってくるのなら、とりあえず<ZD11-22mm>と<ZD50mm>を買おう」と決めたのです。
結局、システム上のまともな唯一の単焦点となってしまった<ZD50mm>はさておき、旅行には1本で済むだろう<ZD-14-54mm>にしなかったのも、14mmと25mmの単焦点が出ても、処分する可能性が低い方を選んだからです。

ところが・・。
「こいつ、ええ加減に分かれよ」
「なんちゅう往生際の悪いヤツや」
「文句あるなら使うなよ」」
と思われながらも続けている、こんなblogのまさにネタになろうとは、否、それ以上に、OLYMPUSと袂を分かつことになろうとは、その時は夢にも想いませんでした。

白状すると、私には、4/3だろうがフル・デジタルであろうが、どうでもいいこと。
フォーマットをいえば、APSやより半端な“110サイズ相当”なんかよりも、使い慣れた35mmの方がいいに決まっています。
それでもE-Systemを選んだのは、OLYMPUSの製品だったからです。
ただ、好きなわけでもないのに、私はOLYMPUSのファンだと錯覚してしまっていました。
私が優れていると敬愛するのは、PENであり、OMであり、XAであり、それを拵えた米谷氏です。
これらの名機と設計者に恩義を感じるからこそ、OLYMPUSを応援しようというのは、些か幼稚で短絡的な考えでした。

私は舞い上がる余りに、OMを蔑ろにしたからこその今のOLYMPUSだ、というごく当たり前の事実を何処かに追いやってしまっていたのです。
そんなモノに期待をしたところで、報われるはずなどありません。
この5年間は、その化けの皮が否応なく剥げるのに要した年月だといえそうですが、それにしてもあまりにかかりすぎた時間にただ恥じ入るばかりです。
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E-500/ ZD11-22mm 1:2.8-3.5
F: 11mm 絞り優先AE: 開放 -0.3EV

by yy2828yy | 2010-08-18 22:20 | OLYMPUS | Comments(8)
Commented by KUZU at 2010-08-19 08:31 x
おはようございます。

不用意に片足を突っ込んでしまった上、"沼"にまで踏み入れてしまった者の末路でしょうか。
もういく所までいくしかないといった所です。
行きついた先で、何か思うことがあれば、その都度新しく何かを入れることになるでしょう。

期待もしていないですが、とりあえず自分が納得するところまでは進まなければ、と思った次第です。
Commented by yy2828yy at 2010-08-19 10:53
KUZUさん、
私としてはかなり用意周到に臨んだつもりですが、騙されては仕方ありません。
基い、騙されたというのも甲斐性のウチだというのは、先だっても述べた通りです。
私はall or nothingのところがあり、大事にすべきモノが半端だというのは気持悪くて仕方がないのです。
今ある<E-1>も<E-3>も、来月には身の回りから消えるかも…なんてことにならないよう心するこの頃です。
Commented by M2_pict at 2010-08-20 18:21
TB企画へのご参加、ありがとうございます。
というか、半ば無理矢理引きずり込んだような具合でしたが(^^;

言わずにはおれない事とはいえ、何度も何度も書くというのはかなりのストレスではないかと思います。
私などはそのストレスに耐えかねて無視するようになって久しいところです。
それを分った上でお誘いしてしまいました。改めまして参加(記事エントリー)ありがとうございます。

私自身はなんとも煮え切らない状態である事は衆知かと思うのですが、愛憎相半ばからむしろ諦めといった気分に自身がっかりし、また惚れて使った道具がソレをつくり出したメーカーそのものから黙殺されそうな状況に忸怩たる思いがありました。
今回の企画が今後どういう具合に展開するのか未定ではありますが、みなさんが(いろんな意味で)興味深く見ていただけるものになりそうだと思っています。
Commented by yy2828yy at 2010-08-20 23:57
M2さん、
いやいや、胸を張って愚痴がいえるから良かったですよ。
ジワッと参加者が増えそうな企画なので、これからもお疲れさまですが、よろしくお願いします。
やっぱりやらないとね。
よくOMの最後と同じだという人がいますが、全く違いますね。
OMは完成品。
半端な出来損ないで終ってしまったモノと較べるべきではないと思います。
Commented by kusamao at 2010-08-21 10:38 x
ご無沙汰しています。
OLYMPUSと袂を分かつ...
衝撃でした。つい驚いて久々にコメントを。
 
やはり最近カメラ業界全般、僕の趣味とは少しずれているようです。
顧客のニーズ故なのでしょうが、それだけユーザー層が変わったのでしょうか。
Commented by yy2828yy at 2010-08-21 19:15
kusamaoさん、
お元気ですか。
袂を分つなんていっても、勝手にいっているだけですが…
カメラ業界というか、電器屋も含めた魑魅魍魎の世界ですね。
そして拵えられるのは、商品ばかりで製品などほとんどない、と。
顧客のニーズは、きっと違うところにあるんでしょうが、言いくるめられるのが得意ですからね、みんな。
Commented by a-path at 2010-08-23 01:05
こんばんは。 
オリンパスには質を重視したコンパクトなシステムを期待していました。
あくまでズーム主体という雰囲気は当初からあり、実際必要充分なものが揃っていますが、単焦点の重要な数本を加えることがなぜできなかったのでしょうね。
14mmF2があればかなり使えたでしょうね。
(NDフィルター必須だったかもしれませんが。)

おっしゃる旅行時に撮られた2枚でしょうか。
特に1枚目、傑作ですね。
日本人旅行者が大勢いるように見えます。
Commented by yy2828yy at 2010-08-23 08:42
a-pathさん、
私もまさにそれを期待…というか、OLYMPUSが4/3を選んだのは、その画面比率でもなければ、その焦点深度でもないはずです。
ですから、小型軽量化ができない時点で敗北は決っていたのだと思います。
AFの時代にズームが主流になることは、既にα-7000の時から分っていますが、コンパクト性追求が必至のシステムで単焦点がないのも自ら利点を捨てているようなものだと思います。
確かにF2はピーカンでは使えませんが、それでもOMの時代を思えば2段も余裕があります。
要するに、写真を撮る人がおらず、机の上でしかモノを考えなかったということでしょう。
どんな大層な理論を訴えようが、道具としてのみっともなさが私にそれをおしえてくれます。

プラド美術館での撮影ですが、あまりにJが多かったため、再度帰りに撮り治したのが2枚目です。
敢えて3:2の比率にしてみました。
まだ完全に4:3に慣れていない時期、こんなつもりで撮っていたのです。